遺言書は「無効」になることがある?
遺言書は自分の意思を相続に反映できる大切な書面ですが、実際には 無効と判断されるケース が少なくありません。
せっかくの遺言が無効になると、希望が叶わないばかりか、相続トラブルに発展してしまうことも…。
ここでは 遺言書が無効になる代表的な場合と注意点 を解説します。
1. 形式不備による無効
特に 自筆証書遺言 では形式不備が原因で無効になるケースが多く見られます。
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日付の記載がない
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押印がない
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本文を自筆していない(ワープロ・代筆は無効)
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訂正の方法が誤っている
形式を守らないと、家庭裁判所の検認で無効と判断されてしまいます。
2. 意思能力に問題がある場合
遺言を作成したときに、認知症などで 判断能力が欠けていた とされると無効になることがあります。
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医師の診断書を添付する
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作成状況を記録に残す
といった工夫で、将来の争いを防ぐことが可能です。
3. 内容が法律に反している場合
遺言書の内容自体に問題があるケースもあります。
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公序良俗に反する内容
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遺留分をまったく考慮しない極端な内容
このような場合は争いの原因になりやすく、効力が争われることもあります。
4. 公正証書遺言でも注意は必要
最も安全とされる 公正証書遺言 でも、以下のような点には注意が必要です。
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証人が利害関係者だった
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内容があいまいすぎて解釈が分かれる
安心のためには、専門家にチェックしてもらうことが望ましいです。
まとめ
遺言書を有効に残すためには、以下の点を意識しましょう。
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自筆証書遺言では 形式を守ること、法務局保管を行う
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判断能力に不安がある場合は 医師の診断書を準備
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公正証書遺言で 確実性を高める
これらを実践することで「無効リスク」を大幅に減らせます。
Q&A(よくある質問)
Q1. 遺言書の日付を「令和○年○月吉日」と書いたら無効ですか?
A1. はい、無効となる可能性が高いです。日付は「令和7年9月18日」のように年月日を特定して書く必要があります。
Q2. 遺言書は鉛筆や消えるペンで書いても有効ですか?
A2. 鉛筆や消えるペンは改ざんの恐れがあり、適切ではありません。油性のボールペンや万年筆で書きましょう。
Q3. 認知症の父が元気な日に書いた遺言は有効ですか?
A3. 作成時に意思能力があれば有効です。ただし後から争われやすいので、医師の診断書を添付するなどの対策が推奨されます。
Q4. 公正証書遺言なら絶対に無効になりませんか?
A4. 公正証書遺言は形式的な無効リスクは低いですが、証人の選任や内容の不備によって争いが起こる可能性はあります。専門家による確認がおすすめです。
Q5. 遺言書の一部を訂正しても大丈夫ですか?
A5. 訂正方法を誤るとその部分が無効になる恐れがあります。新しい遺言書を作り直す方が確実です。
最後に
遺言書の作成で「無効にならないか不安」という方は、専門家に相談するのが安心です。
かねこ行政書士事務所では、宮崎で多数の遺言作成をサポートしてきました。お気軽にご相談ください。