今回も弊所あてに寄せられた体験談やご意見をご紹介致します。皆様もぜひ、ご参考になさってください。
父方の祖父は4年半前、突然の心不全で他界しました。祖父はもともと非常に健康で、それまで大病を患ったこともなく、風邪のひとつも引かないような人だったので、95歳の大往生とはいえ、突然の死に私たち家族は深く悲しみました。
お葬式を終えたあと、祖父の遺言状が見つかりました。突然の死ということもあってとても予想外のことで、これは祖母も含め皆が驚いたのですが、そこには自らが亡き後の遺産をどうしたいのか、きっちり記されていました。
祖父の子供、つまり私の父は3人兄弟です。父は次男で、祖父は長男夫婦と一緒に生活をしていました。祖父の書いた遺言には、「兄弟三人、少したりとも偏りの無いよう、私の残したものを分け合うように。」と書かれてありました。
実は次男である父は、祖父の遺産を1円も受け取りたくないと祖父の生前から私たちに話していましたので、これに対しては本当に悩んだようです。どうしても祖父の存在がお金やモノに変わってしまうことに抵抗がある一方、遺言の中の祖父の思いを優先するべきなのかどうか、ずっと考えておりました。
最終的に、祖父の思いを尊重し、父は遺産を受け取りました。遺言状というものは紙1つではありますが、本人の思いを残された人間へとつなぐ本当に大切なものなのだと痛感した経験となりました。
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