今回も弊所あてに寄せられた体験談やご意見をご紹介致します。皆様もぜひ、ご参考になさってください。
私の知人の話です。
ある時、知人のいとこが突然亡くなりました。その人は独身で、子どもはなく、両親もすでに亡くなっており、兄弟もいませんでした。
よく働く人で、かなりの財産があり、家も新しく買ったばかりだったそうですが、まだ働き盛りで持病もなかったため、遺言書などは用意していませんでした。
すると、親戚は誰もその人の遺産を相続できず、遺産はすべて国庫に入ることになってしまいました。
困ったのはお葬式です。普通であれば亡くなった方の残したもので、ある程度お葬式の費用をまかなうことができますが、葬儀や埋葬を手配する親族が誰もそれをもらえなかったため、その知人のいとこは、自分のお葬式やお墓にさえ自分のお金を使うことができなかったのです。
会社のほうからもきちんとした葬儀を…という申し出があったそうですが、費用が出ないため、かないませんでした。親戚への相続は置いておいても、自分の稼いだお金があるのにそれに見合うお葬式が挙げられないのは、悲しい話です。
遺言書さえあれば、と知人も複雑な表情でした。
ここがポイント!

お声を頂きありがとうございます。確かに投稿者の方がおっしゃる通りですね。ゆいごん書がないと、法定相続人での遺産分割協議が必要になります。しかし、このお声のケースではその法定相続人もいないため、国庫にいってしまったというケースですね。厳密にいうと、被相続人が亡くなって、相続人がいない又は相続人がいるかどうか不明な場合は、その遺産は、相続財産法人という法人になります。そこで選任された相続財産管理人が、借金の返済、相続人の調査などを行います。しかし、その結果相続人が不明の場合は国庫に帰属するといった流れですね。
また特別縁故者の財産分与制度もあります。これは、被相続人と長年連れ添ってきた内縁の妻などが、家庭裁判所に請求して認められることが必要です。
宮崎県行政書士会宮崎支部
かねこ行政書士事務所
金子 聡