今回も弊所あてに寄せられた体験談やご意見をご紹介致します。皆様もぜひ、ご参考になさってください。
両親が85歳という高齢になった現在、まだまだ元気に暮らしているので嬉しいことですが、遺産相続の話は、両親とわたしの間では、結構よく出ます。わたしは55歳で、離婚していて、ずっと仕事をしてきましたが、最近になって両親の老後の世話をするため、実家に戻りました。
わたしには兄もいて、兄は実家を継ぐことなく別居していますが、地位のある職に就き、家族もいるので、経済的にも精神的も安泰です。わたしは、老後、わずかな年金だけが頼りですから、住む家だけでも、実家をもらたいなんて思うんですよね。
でも、それには、兄に相続を放棄してもらわなければなりません。わたしには経済力がありませんから、兄の相続分を払うなんて到底ムリな話です。結局、相続税が高いから、暮らしていた家なんか取られちゃう、というのが、もう当たり前のような認識になりました。
兄夫婦との関係は、今のところ良好ですが、お金が絡むとどうなるかわかりません。わたしも年老いて、丸裸になって、世間に放り出されても、生きて行けないから、必死になるだろうし、骨肉の争いになったら悲しいことだと、今から心を痛めています。相続税って、理不尽です。
ここがポイント!
お声を頂きありがとうございます。投稿者の方のご心配はよく分かりますが、問題を整理する必要があるのではと思います。まず、実家を引継ぎたい、ご両親も投稿者のへ実家を引き継がせたいというのであれば、まずはその旨のゆいごん書を作成してもらうことが必要です。次に、ご心配の相続税ですが、現在相続税の支払う必要があるのは、相続全体の7%~10%と言われています。またこのお声のようなケースには小規模宅地等の特例も利用できそうです。小規模宅地等の特例では、要件を満たせば一定の面積まで宅地の評価額が8割減額されます。そうすれば、相続税のご心配もなくなるのではと思います。
宮崎県行政書士会宮崎支部
かねこ行政書士事務所
金子 聡