今回も弊所あてに寄せられた体験談やご意見をご紹介致します。皆様もぜひ、ご参考になさってください。
私の親戚が亡くなったときの話です。その親戚は私が住んでいるのと同じ市内に住んでいて、盆暮れ正月以外にも顔を見る機会が比較的多く、親しく付き合っていった間柄でした。その人は、昔から事あるごとに、自分が死んでしまったときのことをしきりに気にされていました。親や子供、兄弟でもない私にそのような話をしてくるのはなぜなのだろうかとその時は不思議に思っていましたが、同じような話しを私とはほかの親せきにも話していたということを、彼がなくなった後に耳にしました。そこまでいろいろな人に話しているということは、本当に気になっていたのだなということがわかります。彼が気にしていたのは自分の遺産をだれに相続させるかということについてでした。その候補となる人たちに直接このようなことを話すわけにはいきませんから、無関係の私たちに話しをすることによって気を紛らわせていたのかもしれません。結局その親戚は、最終的にはきちんと遺言書を作成して、特にこれといったトラブルもなく、相続を完了することができたと耳にしました。
ここがポイント!
お声を頂きありがとうございます。自分の亡くなった後のことを考える。この事は、とても難しいものです。しかし、人は身体上での死だけが死でしょうか?僕はそうは思いません。人は遺された方の思いの中で生きているのです。もしかすると、人の記憶の中から忘却されたときが本当の死なのかもしれませんね。私ごとですが、妻をみていると、妻の母は3年前に亡くなったのですが、彼女の中では今も生きているんだなーと思います。法律家の僕が言うのもどうかなーと思いますが、兎角財産分配に目がいきがちですが、ゆいごん書は人の感情を伝えるものだと思います。「あなたの思いを伝える」それが大切です。
宮崎県行政書士会宮崎支部
かねこ行政書士事務所
金子 聡