今回も弊所あてに寄せられた体験談やご意見をご紹介致します。皆様もぜひ、ご参考になさってください。
友人から聞いた話です。
ご年配の方が、数年前、大往生なさったそうです。
ご家族やお身内の方がいらっしゃらなかったため、親しくしていた友人たちで身の回りの物の片付けをお手伝いしました。
きちんとした方で、おうちの中の品物も整頓されており、ご遺言書もご用意されていたようです。
そのご遺言書は自筆証書遺言といって、弁護士がかかわらずご自分で書かれたものでした。
弁護士の方に依頼して見ていただいたところ、書式も正しく効力があり、そのご遺言通りに資産は寄付などされることになりました。
しかし片付けの際に、思わぬところから一冊の通帳が出てきました。
ご遺言書を見ていただいた弁護士の方に相談したところ、その通帳口座にはお金がありました。そして、遺言書の財産目録にはない預金だったのです。
入出金日から見て、だいぶ昔に使っていらっしゃった口座のようで、うっかり忘れられた通帳だったのでしょう。
弁護士の方がいろいろと調査や手続きをされて解決したのですが、きちんと準備していても一人で逝く際には大変なこともあるのだと感じた出来事です。
ここがポイント!
お声を頂きありがとうございます。きちんとご自身でゆいごん書を遺されるなんてすごい人ですね。このお声にもあるように、ゆいごん書に記載されていない財産はまだ行く先が決まっていません。ですから、せっかく遺産分割協議をしなくていいようにと書いたゆいごん書があるにもかかわらず、遺産分割協議が必要になるケースもあります。しかし、現実的にすべての財産を把握するのはなかなか難しいと思います。ですから、その他の財産について記載するようにしましょう。そうすれば、このお声のようなケースを防げますよ。
宮崎県行政書士会宮崎支部
かねこ行政書士事務所
金子 聡