今回も弊所あてに寄せられた体験談やご意見をご紹介致します。皆様もぜひ、ご参考になさってください。
ご近所の家庭では遺産相続となった時、遺された家の相続でこんな事がありました。
相続の権利のある息子、娘が4人いましたが、結婚して次々と家を出て別に所帯を構えていた者が3人、結婚せず家に残っていた息子がひとり、その息子が父親が亡くなったあと母親と一緒に暮らし最期まで面倒をみていました。
離れた場所に暮らす兄弟が葬儀の後に残された母の遺品を分け、それぞれの家に戻ったのですが、法要で再び集まった時に遺された家を遺産として分けようじゃないかという話しが出たのです。
別に貯蓄でもあれば家を分けたと考えられる金額を家の代わりに渡す事も出来るのでしょうけれど、それも出来ぬ話しだったようでした。
まさかそんな話しになるとは思っていなかった息子は考えた末に家を手放す事を決意したのです。
売ったところで築年数も経っており、また立地も決して良い場所と言えるものでもありませんでしたから、みんなが思っているような満足する額になるはずもありません。
ただ、円満という事を考えたようですが、息子は息子で心機一転と新しい生活へと踏み出す良い切っ掛けとなったようで、今まで以上に活発に仕事に励むようになったと言っていました。
思いもよらぬ相続でしたが最期まで面倒をみていた息子の元気な笑顔を見ると、これでよかったのだと思い安心しました。
ここがポイント!
お声を頂きありがとうございます。いや~やっぱりモノゴトはとらえ方なんだな~と実感させられるお声でしたね。このお声のケースも、ともすれば泥沼の遺産相続トラブルになる可能性は十分に秘めていたはずです。しかし、このお声に登場する息子さんは家をでなければならない事を、自分が前に向くための出来事として上手に利用されたところに頭が下がる思いがします。死は誰かの人生を変えるきっかけになったのですね。そう考えると、あなたの言葉はやはり必要ですね。ぜひ、ゆいごん書を書いてください。
宮崎県行政書士会宮崎支部
かねこ行政書士事務所
金子 聡