今回も弊所あてに寄せられた体験談やご意見をご紹介致します。皆様もぜひ、ご参考になさってください。
私は十数年前に父を亡くしました。父が亡くなった時、私には兄と姉がいました。遺言はなかったので、この3人兄弟で分割して、父の遺産を相続することにしました。
父は多額の退職金ももらっており、土地も持っていたし、また老後は株をやっていたこともあり、かなりの資産を残していただろうということだったのでまず3人で協議して、兄が主に不動産を相続し、姉と私が預金などを相続しようということになりました。
そして兄が遺産分割協議書を作ってくれました。兄がExcelで自分で作ったという遺産分割協議書は大変細かいもので、普通なら専門家に頼むものをよく作ったなと感心しつつ、それをもとに再度協議しました。協議したことは分割の割合についてでした。当時安定した職についていたのは兄だけで、私はアルバイトで、姉は仕事についたりやめたりを繰り返していました。姉が一番生活に苦しんでおり、今後も生きていくのがしんどい状況だったので、預金などの姉と私への配分を、姉6に対し私4と、姉に多めに配分することでした。皆それに合意して、遺産を分割しました。
遺産が多額であったため相続税が発生したので、それは父と同居していた姉に代わりに納めてもらい、私は自分に分割された預金の名義変更のために銀行をまわりました。
あの時は兄弟が協力してやれたなと、今になって思います。そして私はひとり暮らしで、配偶者も子どももいないので、遺言をどうしようかなと、そろそろ考えないといけないなと思います。
ここがポイント!
お声を頂きありがとうございます。とても素敵なご兄弟ですね。しかしこのお声のようなケースばかりではないのが今の現状です。お子様だけの相続を俗に2次相続といったりもしますが、非常にもめる確立が高いと言われています。ですからこういった場合には、ゆいごん書が非常に有効です。有効なゆいごん書があれば、遺産分割協議書などを作成する必要がなくなります。遺されたご家族のことを考えると、意思を遺しておくというのは、手続きのうえでも、ご家族の心のうえでもとても大切なことです。ゆいごん書は保険と同じです。あなたにも必ずゆいごん書は必要です。
宮崎県行政書士会宮崎支部
かねこ行政書士事務所
金子 聡