今回も弊所あてに寄せられた体験談やご意見をご紹介致します。皆様もぜひ、ご参考になさってください。
将来の話ではありますが、私に降りかかった相続にまつわる話です。
私は幼少の時に両親が離婚して、これまで女手一つで育てられてきました。
現在、社会に出て将来の親孝行をするべく頑張っているのですが、
幼いころから今に至るまで、別れた父方の祖父母にもお世話になっていました。
つい最近の話になりますが、父方の祖父が他界し葬式に参列したときのことです。
親戚一同が集まっているはずの葬式会場には、別れた父親が新しく築いたファミリーも参列していました。
そこで初めて腹違いの弟と対面をしたのですが、肝心の私の元父がいませんでした。
葬式が日曜に執り行われたのですが、元父の職業が理容師、
そういった事情もあってやむなく参列できなかったのかなと思っておりました。
式が終わり親戚もまたぞろ解散していく中、一族で唯一本家となる
私の叔母(独身)から思わぬ話がありました。
私の元父(本来ならば本家の跡取り)を本家から勘当するということ、
ついては私に養子に入ってもらい本家および墓を守ってほしいとのことでした。
どういう事かと尋ねてみたところ、祖父母との交流を一切せず葬式にも来ない、
それ以外にもかなり素行不良がありもう継がせるわけにはいかないと。
一番気になったのは私の母についてですが、
基本的に養子に入ってもこれまでと変わらないでいい。
とりあえず墓だけ守ってほしいということでした。
母にも相談は一応しましたが「おぉ行ってこい!とりあえず私もそこの墓に入れてくれ。」となんかノリノリ。
将来の話にはなるのですが、私も母が入る墓をどうしようかと考える年頃になっていたので、
思わぬところから誘いがあったことは、うちの祖父が私にご褒美をくれたのかな?と勝手に判断しています。
にしても、今は都内在住で地元には戻るつもりもないので
相続した家の管理をどうしようかなと悩む日が訪れるのが杞憂です。
ここがポイント!
お声を頂きありがとうございます。養子縁組をなさるとのことですが、元のお父さんにはご兄弟はいらっしゃるのでしょうか?なかなか複雑なケースですので、相続トラブルなどを考えると祖母の方には遺言を書いていただく必要がありますね。またお墓、お仏壇などの祭祀財産は、相続財産ではありません。民法897条には、「系譜、祭具及び墳墓の所有権は、前条の規定にかかわらず、慣習に従って祖先の祭祀を主催すべき者が承継する。ただし、被相続人の指定に従って祖先の祭祀を主催すべき者があるときは、その者が承継する。」とあります。ですからこのお声のように、お墓を守ってもらう人を決めるためにも、遺言が必要になってきますね。
宮崎県行政書士会宮崎支部
かねこ行政書士事務所
金子 聡