今回も弊所あてに寄せられた体験談やご意見をご紹介致します。皆様もぜひ、ご参考になさってください。
私は、一度遺言作成の立ち合い人になったことがあります。
職場の知り合いとして、頼まれたことがきっかけでした。
その遺言状を作成した人は、身寄りがほとんどいないおばあちゃんでした。
おばあちゃんは、お子さんとご主人を亡くして以来、ひとりで生活をしていました。
ところが、体調を崩され、病院へ入院をしました。
特別どこかが悪いわけではなく、老衰からくるものでした。
ずっとひとりで暮らしていたおばあちゃんだったので、最初は看護師さんやお医者さんに対しても愛想がなく、心も閉じたままだったそうです。
ところが、長い入院生活で、人の温かさを知り、最期はここでむかえたい、と思うようになったそうです。
そして、なんとそのおばあちゃんは、自分の財産を、ほとんど連絡を取り合っていない家族に渡してしまうよりも、病院に寄付をしたいと考えたそうです。
その結果、遺言証書を作ることになり、弁護士に相談をしたそうです。
公証人の立ち合いのもと、病室で遺言証書の作成をしました。
最後、安心したかのように、にっこり笑っていました。
おばあちゃんは、その2週間後に亡くなり、遺言どおり、おばあちゃんの財産は病院に寄付されました。
ここがポイント!
お声を頂きありがとうございます。投稿者の方は、公正証書遺言の証人をなさったんですね。公証役場で作成する公正証書遺言、秘密証書遺言では証人が2人必要になります。相続人などの関係者は証人になることは出来ませんので、投稿者の方がなさったのですね。とても良い経験をされましたね。またこのお声の遺言者が、長い入院生活で、人の温かさを知り、最期はここでむかえたい、と思うようになり、遺言を書こうと思われたのはとても素敵なことだと思います。遺言は負の感情からはあまり生まれないものかもしれません。残された家族がもめてほしくない、感謝の気持ちを表したい、そんなあたたかい気持ちからゆいごん書は生まれるのかもしれませんね。
宮崎県行政書士会宮崎支部
かねこ行政書士事務所
金子 聡