今回も弊所あてに寄せられた体験談やご意見をご紹介致します。皆様もぜひ、ご参考になさってください。
一昨年,父方の祖母が亡くなりました。この20年ほど,父は祖父母を世話する兄と関係がよくなく,ほとんど絶縁状態にありました。しかし,祖母の遺言で,孫の私に遺産があるとの連絡がありました。はじめて聴いたときは,親戚中に遺産を残してくれたのかと思い,感動していました。ところが,詳しく聞いてみると,実の息子の父や他県に暮らす娘の叔母達には何も遺産がなく,孫の私一人だけ,遺産として相続した物があったのです。確かに,私は祖母を大切にしていましたし,父が絶縁状態にあってもこっそり会いに行ったり,手紙を出したりしていました。それでも納得できず,何となくうさんくささを感じていました。
実際,父の兄の叔父から遺産のことを話されたとき,訳ありの物でした。実家から20km程離れたところにある40坪ほどの土地。その土地の上には家が建っていました。祖父の古くからの知人の方の所有する家でした。結論から言って,この面倒な土地は処理するの大変なので,孫の私に押しつけようと,叔父が遺言を祖母の許可を得て関係者の方に書いてもらったのかな,なんて余計なことを想像してしまいました。結局その土地を私が相続し,土地に家がある方から,1年間で6万円を土地代として受け取ることとなりました。おそらく,いずれは土地を譲ってほしいと言うことだと思います。高く売れれば,父や母に今までの恩返しと思ったのですが,相当先のようです。父も母も,祖母は孫の私に少しでもと残してくれたんだから,ありがたく受け取りなさい,と言ってくれました。当然,そうしましたし,その気持ちでいます。しかし,なんだか,後味の悪い遺産相続の経験でした。