今回も弊所あてに寄せられた体験談やご意見をご紹介致します。皆様もぜひ、ご参考になさってください。
世の中で厄介なものは多々あれど、そのひとつは相続ではないでしょうか。
いくら仲良し兄弟を誇っていても、親の死後、どろどろの相続争いに発展したという話は決して珍しいことではありません。
現実に誰もが経験するであろう、それが相続なのです。
決して和やかには進まない場合が多々見られる相続。
綺麗ごとかも知れませんが、金銭だけの問題ではないのです。
金銭的な案件だけに注目されがちな相続問題ですが、実は人情的なちょっとした意思疎通が原因だったりもするのです。
私ごとではありますが私は未婚です。そして末っ子です。
母親が寝たきりになった時、全ての面倒をみたのは私でした。
それは母が元気な時、施設には入りたくないと言っていたのを聞いていたからです。
兄も姉も配偶者がいます。子供もいます。仕事もしています。
それを理由に、母の面倒は全て私任せでした。
でもだからと言って、感謝の言葉など一度も聞いたことがありません。
母の生前の言葉を直接聞いていない兄・姉は、私が勝手に介護を買って出たとでも言いたげでありました。
私はたった一言、母が亡くなった時、その後の相続の話になった時、『お疲れ様、よくここまでやってくれたね』そう言ってほしかっただけなのです。
母の遺言が私たち兄弟に亀裂を作ってしまったことはご想像の通りです。
ここがポイント!

お声を頂きありがとうございます。最後の言葉が気になりますね。お母さんの遺言はどんな内容だったのでしょうか?兄弟が同じだったのか?面倒をみた投稿者に多かったのか?ただ思うのは、もし遺言が残されていなかったらもっと大変だっただろうということです。遺言がない場合は、遺産分割協議をする必要がありますので、どこで折り合いをつけるかは非常に困難だと思いますよ。遺言が残されていた場合は、少なくともそれはお母様のご意思であり、尊重されるべきものだと思います。そしてそれは、「お母さんがこう言っているんだから」というのが、重要になってくるのです。その意思があるかないかで、その後は大きくかわると思いますよ。このケースのように、介護の問題はこれからもっとでてくると思います。民法では、兄弟姉妹の相続分は平等です。しかし何をもって平等というのか!と思ってしまいますよね。介護してた人とまったく家に寄り付かない人の平等ってなんでしょうか?そこにはやはり遺言書が必要なのではと思ってしまうのです。
宮崎県行政書士会宮崎支部所属
かねこ行政書士事務所
金子 聡
