今回も弊所あてに寄せられた体験談やご意見をご紹介致します。皆様もぜひ、ご参考になさってください。
現在進行形で、義父(私の夫の父)方が相続の問題で絶縁しそうな程に親族間の関係が悪くなっています。
義父には5人の兄弟がおり、義父は両親(夫から見た祖父・祖母)の土地と家で同居をしておりました。
2年ほど前、義父の両親が相次いで亡くなり、家の土地、建物、畑、保険、全てが義父の名義のままだったのが事の発端です。
保険に関しては、義父・義母が双方で受取人になっていたようです。
義父の兄弟たちは名義を変更するための書類、また保険を受け取るための書類に印鑑を押すことを拒み、
全てが宙ぶらりんな状況になっています。
兄弟全員の判子がないと、書類の開示ができないと言われたそうです。
さらに、この渦中の中なぜか保険の証書が無くなってしまいました。
田舎の土地建物で資産価値はほとんどないと思われますが、義父・義母が亡くなった今、長男として都会の仕事を辞めて田舎に戻り、
ずっと介護をしてきた義父(と義母)が今住んでいるままの状態で相続をするのが良いと思うのですが、兄弟たちが相続に反対、
とても田舎で気軽に相談できるような法律事務所もなく、私たちは遠方に住んでいるため力になることはできません。
義父より、「もし自分が死んだら、お前たちに迷惑をかけてしまうかもしれない(土地などの件で)」と言われたのが
ずっと心に引っかかっています。
義祖父の生前、もっとしっかり相続について話し合われていたり、知識や知恵を付けてくれていたら、こんなにもめることは
なかったのに…と思います。
ここがポイント!
お声を頂きありがとうございます。いや~なかなか大変そうですね。このお声のように相続トラブルは遺産の有る無しではありません。財産が遺産が少なくてももめる可能性は十分にあるのです。だからゆいごん書が必要なんですね。またこのお声には何点か疑問点があります。1つ目は、保険金についてです。このお声では保険金の受取人は義父と義母となっていたとありますので、その保険金についてはご兄弟の印鑑は必要ないかなと思われます。保険金は受取人固有の財産となっており、遺産分割協議の対象の相続財産ではありません。2つ目は、書類の開示に、相続人全員の印鑑が必要だとのことですが、相続財産の保全は各相続人が単独でできるとされています。書類の開示であれば各相続人が単独で出来ると思われますので、もう一度ご確認されたほうがいいのでは思います。すべてが義父の方の名義になっていることが問題となるのは、生前贈与(特別受益)による遺留分への侵害だと思います。名義自体は義父の方の名義になっているとのことですし、遺留分については遺留分に相当する額(お金)をお支払いすればいいと思います。そしてそのお金の原資は、保険金を使われはいかがでしょうか?田舎の土地とのことですし、そんなに評価額も高くないことを考えれば妥当な解決策では思います。ぜひご検討くださいね。
宮崎県行政書士会宮崎支部
かねこ行政書士事務所
金子 聡