今回も弊所あてに寄せられた体験談やご意見をご紹介致します。皆様もぜひ、ご参考になさってください。
私の母の実家は、それなりの資産家です。
母の兄弟は4人おります。
母は一番上の長女です。
その下に長男、次男、次女と続いています。
母のお母さん、つまり私の祖母は明冶生まれの人でした。
自身の子供の中で、男の子に関しては、家を継ぐという意味から大切に扱い。
女の子である、私の母また次女に対しては、自身の子でありながら、家の家事をする者との考えの祖母でした。
祖父は戦争で亡くなりましたので、祖母にはたくさんの財産がありました。
しかし、祖母からすると、自分の子は 男の子である長男と次男だけなんです。
いくら長女、次女が家の手伝いをしようとも。
財産はもちろん与えないという考えでした。
祖母はお金に細かい人でしたので、かなりの歳になるまで、頭もしっかりして「ボケ」「痴呆」なんてない人でした。
そんな祖母でも、やはり90歳近くなった時には、お金の管理が出来なかったのか?
長男嫁にだまされたか、分かりませんが。
長男嫁がお金の管理をするようになりました。
その時に、私の母は、財産相続にいて、長男夫婦に直談判しました。
もちろん、法廷上は母にも、財産分与の権利があるはずです。
ですが。驚いた事に、なんと財産はすでに、長男名義にすべて変わっていたのでした。
長男名義に変わってしまった財産については、母に財産の一部なんて入ってこないのです。
母が愕然としたのは、言うまでもありません。
ここがポイント!
お声を頂きありがとうございます。いや~お母様のお気持ちを考えると、とても悲しかったでしょうね。財産もさることながら、自分の母親に雑に扱われたと思われたのだとしたら、とても悲しくなりますもんね。しかし、ご安心ください。相続人への生前贈与は遺留分減殺請求の対象となります。投稿者の方のお母様には、全財産の8分の1の財産を受け取る権利があります。よくこのお声のように、亡くなる前に名義変更しておけば。。。という話を聞きますが、民法では、相続人への生前贈与は遺留分減殺請求の対象財産ですので、その生前贈与に対しては遺留分減殺請求ができますよ。またこのケースのように、ご高齢の方は家督相続の制度を経験されているせいか、なかなか現在の遺産相続トラブルについては疎い方が多いのが現状です。大きく制度が変わっていますので、そこをご理解いただければ、遺産相続トラブルは少なくなるのにな~と思いますよ。
宮崎県行政書士会宮崎支部
かねこ行政書士事務所
金子 聡