「終活」という言葉を耳にする機会が増えました。しかし「実際に何をすればいいのか分からない」「まだ早い気がする」という声を、宮崎市で相続や遺言のご相談をお受けする中でよくお聞きします。今回はシリーズ第1回として、終活の全体像と始める順番をご紹介します。
終活とは「人生の終わりのための活動」ではなく「これからを安心して生きるための準備」
終活とは、人生の後半期に向けて、財産・医療・介護・葬儀・お墓などについて自分の希望を整理し、必要な準備をしておく活動のことです。「縁起でもない」と思われがちですが、実際に終活を終えた方の多くは「気持ちが軽くなった」「これからの生活を前向きに考えられるようになった」とおっしゃいます。終活は死の準備ではなく、残りの人生を自分らしく生きるための準備なのです。かねこ行政書士事務所では、終活は「未来計画」ですとお伝えしています。
また、終活は残されるご家族への最大の思いやりでもあります。何の準備もないまま相続が発生すると、ご家族は悲しみの中で膨大な手続きに追われ、財産の把握だけで何か月もかかることが珍しくありません。ご本人の希望が分からないために、医療や葬儀の場面でご家族が重い決断を迫られることもあります。
終活でやることの全体像
終活には主に次のような項目があります。財産の整理(預貯金・不動産・保険・デジタル資産の棚卸し)、エンディングノートの作成、遺言書の作成、医療・介護の希望の整理(延命治療の希望など)、認知症への備え(任意後見契約など)、葬儀・お墓の準備、身の回りの生前整理です。
全部を一度にやる必要はありません。おすすめの順番は、まず「エンディングノートで現状と希望を書き出す」ことから始め、次に「財産の棚卸し」、そして必要に応じて「遺言書の作成」や「任意後見契約」など法的な効力のある準備へ進む流れです。エンディングノートを書くと、自分に何が必要かが自然と見えてきます。
終活を始めるタイミングは「思い立った今」
終活に早すぎることはありません。特に遺言書や任意後見契約は、判断能力がしっかりしているうちにしか作れません。認知症と診断されてからでは選択肢が大きく狭まります。60代・70代はもちろん、お子さまの独立や退職などの節目に始める方が増えています。
準備がなかったご家庭で実際に起きること
準備のないまま相続を迎えたご家庭の典型例をご紹介します。ある方は、親御さまの財産がどの銀行にあるか分からず、心当たりの金融機関に片っ端から照会をかけ、残高証明の取得だけで2か月を要しました。別のご家庭では、入院時に延命治療の希望を誰も聞いていなかったため、ご兄弟の間で意見が割れ、その後の関係に溝が残りました。また、亡くなった後に借金の存在が判明したものの、相続放棄の期限(3か月)を過ぎており対応が難しくなったケースもあります。いずれも、エンディングノート1冊、遺言書1通、家族との会話ひとつで防げたことばかりです。終活は特別な人のためのものではなく、ごく普通のご家庭にこそ必要な備えなのです。
よくある質問(FAQ)
Q. 終活は何歳から始めるべきですか?
A. 決まった年齢はありませんが、体力と判断能力があるうちに始めるほど選択肢が広がります。実務では、定年退職・配偶者との死別・大きな病気の経験などをきっかけに60〜70代で始める方が最も多い印象です。一方で、40〜50代のうちからエンディングノートや財産の棚卸しだけでも始めておくと、その後の見直しが格段に楽になります。
Q. 終活にはどのくらい費用がかかりますか?
A. エンディングノートや生前整理はほぼ費用をかけずに始められます。法的な準備には、自筆証書遺言の法務局保管が3,900円、公正証書遺言は財産額に応じた公証人手数料(数万円程度)と専門家報酬などがかかります。何にいくらかかるかは準備の内容次第ですので、初回相談で全体の見積りをご案内できます。
Q. 家族に終活の話をどう切り出せばいいですか?
A. 「自分のため」より「あなたたちに迷惑をかけたくないから」という伝え方が受け入れられやすいです。テレビの終活特集や知人の相続の話題をきっかけにするのも自然です。ご家族を交えた相談も承っています。
宮崎市で終活の相談をするなら
終活の項目のうち、遺言書・相続の準備・任意後見契約・死後事務委任契約などは、法律の専門知識が必要な分野です。かねこ行政書士事務所では、宮崎市を中心に終活に関するご相談をお受けしています。「何から始めればいいか分からない」という段階のご相談も歓迎です。初回相談で、あなたに必要な準備を一緒に整理いたします。どうぞお気軽にお問い合わせください。
次回は、終活の第一歩「エンディングノートの書き方」を詳しく解説します。
