この記事で分かること
-
相続財産の調査で必ず押さえる順番
-
預貯金・不動産・株・保険・借金を漏れなく見つける具体策
-
相続人の話し合いがスムーズになる「財産目録(一覧表)」の作り方
-
宮崎で多い「不動産中心の相続」を前提にした、現実的な進め方
なぜ「相続財産の調査」が相続の成否を決めるのか
相続手続きで一番ありがちなのが、これです。
-
いったん遺産分割協議書を作った
-
手続きを進めた
-
後から“別の口座”や“借金”が出てきた
→ 追加協議、再押印、やり直し、親族関係が悪化…
つまり、財産調査は「作業」ではなく、揉めないための防火壁です。
特に宮崎では、実家・土地などの不動産が絡みやすく、相続人が県外在住ということも多いので、最初の調査の精度が結果を左右します。
最優先:期限がある場合は“借金チェック”から入る
相続には期限がある手続きが混ざります。代表が**相続放棄(原則3か月)**です。
借金の可能性が少しでもあるなら、調査の優先順位はこうなります。
-
負債の痕跡を探す(督促・ローン・カード・保証関係)
-
ざっくりでもプラス財産の全体像を掴む
-
期限までに「放棄する/しない」の判断材料を揃える
「財産が多そうだから大丈夫」は危険です。保証債務など、後から出る負債が一番怖いからです。
相続財産の調査:全体の流れ(7ステップ)
ステップ1:まず“入口資料”を確保する(痕跡集め)
探す場所はここ(見つかれば勝ちです)
-
通帳・キャッシュカード・印鑑
-
郵便物(銀行、保険、証券、ローン、税金関係)
-
スマホ(銀行アプリ、証券アプリ、保険のマイページ)
-
家計ノート、エンディングノート、手帳
-
金庫、引き出し、仏壇周辺(なぜか多い)
-
確定申告書・源泉徴収票(利息・配当の痕跡)
コツ:最初は“完璧”を目指さず、痕跡を集めることが重要です。痕跡があれば照会できます。
ステップ2:財産を「6カテゴリ」に分けて漏れを防ぐ
相続財産は、ざっくり以下に分類すると漏れが減ります。
-
不動産(宅地・建物・農地・山林・共有持分)
-
預貯金(銀行・ゆうちょ・信用金庫・ネット銀行)
-
有価証券(株・投信・国債・証券口座)
-
保険(死亡保険金・解約返戻金)
-
負債(ローン・カード・未払・保証)
-
その他(車、事業資産、未収金、ポイント等)
ステップ3:預貯金の調査(口座の“漏れ”をゼロに)
① まずやること:金融機関をリスト化
-
通帳がある銀行
-
郵便物で見つかった銀行
-
給与振込の可能性がある銀行
-
住宅ローンがある銀行(=口座を持っていることが多い)
-
ゆうちょ(昔から使っているケースが多い)
② 相続手続きに必要な「残高の基準日」
基本は、相続開始日(亡くなった日)時点の残高を押さえると手続きが整います。
(銀行ごとに必要書類や運用が異なるため、最終的には窓口案内に合わせます)
③ 「通帳がない」「口座番号が分からない」場合の現実策
完全にゼロ情報だと難易度は上がりますが、次の痕跡があれば突破口になります。
-
銀行からの郵便物(キャンペーン、手数料改定、残高通知)
-
キャッシュカード
-
公共料金の引落先
-
年金の振込先
-
給与・事業入金の入金先
-
スマホ内のアプリ履歴
ポイント:通帳やカードが無くても、相続財産の調査、手続きは可能です。
ステップ4:不動産の調査(宮崎の相続で最重要)
宮崎の相続は不動産比率が高くなりがちです。
だからこそ「不動産が全部出ているか」で揉め方が変わります。
① 不動産を“一覧化”する王道の集め方
-
固定資産税の課税明細(毎年の通知)
-
名寄帳(各市町村毎に確認できます)
-
登記事項証明書(名義・地番・共有が分かる)
② “見落としが多い”不動産のパターン
-
共有持分(昔の相続の名残)
-
農地・山林(評価が低いから放置されがち)
-
県外の土地(転勤・相続の連鎖で残っている)
-
私道持分(家の前の道の一部など)
③ 不動産が絡むと「分け方」に直結する
不動産が中心だと、相続は次のどれかで決着します。
-
現物分割(誰かが家を継ぐ)
-
代償分割(家を継ぐ人が他へ代償金)
-
換価分割(売却して現金で分ける)
この判断の前に、まずは不動産が全部出ていることが大前提です。
ステップ5:株・投資信託・証券口座の調査(見えない資産の代表)
証券系は「紙が少ない」ので、相続人が把握していないことが多いです。
痕跡として強いもの
-
証券会社からの郵便(口座開設、取引報告、NISA関連)
-
配当金の入金履歴(通帳に痕跡が残る)
-
確定申告書(配当・譲渡の情報が載ることがある)
-
スマホアプリ(証券会社・資産管理アプリ)
注意:証券は、相続開始日時点の残高や評価の取り方で整理方法が変わります。まずは「口座の存在」と「残高の証拠」を押さえるのが第一です。
ステップ6:保険の調査(“相続財産じゃない”と思い込まない)
生命保険は、受取人が指定されていると「相続財産と別枠」で扱われることが多い一方、相続全体の設計(公平感、税務上の整理)には影響します。
見つけ方
-
保険証券、保険会社からの郵送物
-
引落口座の履歴(保険料の定期引落)
-
勤務先の団体保険・共済
-
JA共済、県民共済など加入が多いケースも
ステップ7:負債の調査(揉める前に“先に見える化”)
負債は「隠れている」より「話題にしづらい」ことが問題です。
でも、相続では避けて通れません。
① 負債の痕跡(チェックリスト)
-
住宅ローン、車のローンの明細
-
カード会社からの請求
-
消費者金融・銀行カードローン
-
連帯保証、保証人の契約書
-
未払い(病院、施設利用料、税金、家賃、携帯)
② “保証”が一番危ない
本人に借金が少なくても、保証人・連帯保証の形で負担が出ることがあります。
契約書や郵便物に痕跡がないか、早めに確認します。
ポイント:
-
“証拠資料”欄を入れると、後からの争いが激減します。
-
「不明」「調査中」を置いてOK。空欄が一番危険です。
よくある失敗5つ(宮崎の相続で多い)
-
固定資産税の明細だけ見て、共有持分や県外不動産を落とす
-
ゆうちょ・信用金庫・JAなど、生活圏の金融機関を見落とす
-
遺産分割協議書を先に作り、後から口座や負債が出て再押印
-
県外相続人の印鑑証明が揃わず、手続きが止まる
-
「借金はないはず」で調査を後回し→放棄期限が過ぎる
行政書士に依頼するメリット(財産調査フェーズ)
宮崎の相続で、調査〜目録化〜協議書準備までを第三者が整えると、実務が一気に進みます。
-
戸籍(相続人確定)と財産調査を同時並行で進められる
-
県外相続人がいても、押印・資料回収の段取りを設計できる
-
協議書に落とす前に、漏れ・矛盾・不足を潰せる
-
司法書士(登記)・税理士(申告)と連携する土台ができる
Q&A
Q1. 通帳がないと預貯金の相続はできませんか?
A. 通帳がなくても、相続出来ます。
Q2. 口座がいくつあるか分からないとき、どう進める?
A. ①郵便物・スマホ・確定申告など痕跡探索→②判明した金融機関から関連取引を洗う、の順が効率的です。完全にゼロ情報の場合は難易度が上がるため、最初の探索が勝負です。
Q3. 相続財産の調査は誰がやるべき?相続人代表でいい?
A. 代表者でも進められますが、後で「情報を隠した」と誤解されやすいです。財産目録+証拠資料の形で共有すると透明性が上がります。
Q4. 不動産は固定資産税の明細だけで足りますか?
A. 足りないことがあります。共有持分、県外不動産、私道持分などが抜ける場合があるため、名寄帳や登記で補強して一覧化するのが安全です。
Q5. 株や投資信託があるか分からない場合は?
A. 郵便物、配当の入金、確定申告、スマホアプリが強い手がかりです。まず「証券口座の存在」を確定させることが第一です。
Q6. 生命保険は相続財産に入りますか?
A. 受取人指定がある場合は“相続財産と別枠”で扱われることが多い一方、相続全体の設計や税務上の整理には影響します。まず契約内容を確認します。
Q7. 借金があるかもしれない…最初に何を見る?
A. 督促状、ローン明細、カード請求、保証契約の書類、未払(施設・税金)など“痕跡”から入ります。相続放棄の期限があるため、負債の調査は早いほど有利です。
Q8. 財産目録は必須ですか?
A. 法律上の必須書類ではありませんが、実務上はほぼ必須級です。協議が早くなり、後から出てくるトラブルを防げます。
Q9. 行政書士に頼むと、どこまでやってくれる?
A. 相続人確定(戸籍収集)、財産調査の段取り、財産目録作成、協議書作成支援などが中心です。登記・税務は司法書士や税理士と連携して進めることが一般的です。
宮崎で相続手続きの「財産調査」が止まっていませんか?
かねこ行政書士事務所では、
-
戸籍収集(相続人確定)
-
財産調査の段取り
-
財産目録の作成
-
遺産分割協議書作成支援
まで、相続の土台を整えて“手続きが進む状態”にします。
✅ 初回相談で「調査チェックリスト」を一緒に作成
✅ 県外相続人がいても郵送段取りまで設計
