自筆証書遺言の書き方と注意点
宮崎の行政書士が「失敗しないコツ」を解説「公正証書遺言が安心なのはわかるけど、まずは自分で書いてみたい」
そんな方も多いと思います。
今回は、
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自筆証書遺言の基本ルール
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実際にどう書いていくか
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よくある“もったいないミス”
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法務局の保管制度を使うときのポイント
などを、チェックリスト感覚で分かるようにまとめます。
1.自筆証書遺言の「大原則」4つ
自筆証書遺言は、基本ルールを外すとまるごと無効になるおそれがあります。
まずは、最低限これだけは押さえておきましょう。
① 本文は「自分で手書き」
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遺言の本文は、原則として遺言者本人が自分の手で書く必要があります。
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ワープロ・パソコンで打った本文は、NGです。
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財産目録だけは、別紙にしてパソコン・通帳コピーなどを使ってもOKですが、
→ そのページごとに署名・押印(遺言書に押印した印鑑と同じもの)が必要です。
② 日付を必ず書く(特定できる形で)
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「令和〇年〇月〇日」と、日付を特定できる形で書きます。
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「令和〇年〇月吉日」「令和〇年春頃」などはNG。
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同じ人が複数の遺言を書くこともあるので、
どの日に書かれた遺言かが分かることがとても重要です。 - 遺言は、後の日付のものが効力があります。
③ 名前を書く(署名)
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フルネームで自分の名前を書きます。
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通称・旧姓などを使う場合は、他の書類と照らし合わせて本人と分かるようにしておきましょう。
④ 押印する(印鑑を押す)
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認印でも有効とされていますが、実務上は実印を使うのが安心です。
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途中で訂正したときは、
→ 訂正箇所の近くにも捨印を押す、などのルールがあります(詳しくは後ほど)。
2.実際にどう書く?基本の流れ
ここでは、典型的な構成をサンプル的に示します。
※あくまでイメージですので、実際に作るときはご自身の事情に合わせて調整が必要です。
① 自分が書いたことを示す
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冒頭に「遺言書」と大きく書く
② 財産の分け方を書く
例:宮崎市内の自宅+預金を分けるケースのイメージです。
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不動産は登記簿どおりに記載するのが基本です。
→ 登記事項証明書を取ってきて、そのとおりに写すイメージ。 -
預貯金は、
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金融機関名
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支店名
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預金の種類
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口座番号
を書いておくと特定しやすくなります。
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③ 遺言執行者の指定を書く
または、専門家を指定する場合:
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誰が手続きをするのかを決めておくと、相続人同士の負担とモメごとを減らせます。
④ 付言事項(家族へのメッセージ)を書く
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法律的な「強制力」はありませんが、
なぜその遺言内容にしたのかが書いてあると、相続人の受け止め方が変わります。
⑤ 最後に日付・署名・押印
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ここまで書いて初めて、「自筆証書遺言」としての基本的な形が整います。
3.自筆証書遺言で「やりがちなミス」5選
相談現場でよく出会う、“もったいないミス”をまとめておきます。
① 日付があいまい
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「令和〇年〇月吉日」
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「令和〇年春」といった書き方
→ いつの遺言か特定できないと、無効になるおそれがあります。
必ず「令和〇年〇月〇日」と書きましょう。
② 財産の書き方がざっくりすぎる
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「宮崎の土地は長男に」
これだけだと、どの土地か分からない可能性があります。
具体的に書いておくことが大切です。
③ 相続分と書き方がチグハグ
例えば、
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「全財産を長男に相続させる」と書きつつ
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そのあとで「預金の半分は長女に相続させる」など、矛盾する記載がある
このように条文同士がぶつかっていると、解釈でもめる原因になります。
④ 訂正の仕方が不適切
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書き間違えた箇所を二重線で消しただけ
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直したけれど、どこにも訂正印や追記がない
民法上、遺言の訂正には、
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訂正した箇所を指示する
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訂正の内容を書く
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その部分に署名・押印する
など、細かいルールがあります。
少しでも書き直しが増えてきたら、書き直した方が安全なことも多いです。
⑤ 保管場所があいまい・誰にも知らせていない
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仏壇の引き出しに入れたまま
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誰にも「遺言を書いた」ことを言っていない
これでは、せっかく書いても発見されないおそれがあります。
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信頼できる家族に書いたことだけ伝えておく
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法務局の「自筆証書遺言書保管制度」を利用する
など、発見・保管の工夫もセットで考えましょう。
4.法務局の「自筆証書遺言書保管制度」を使うときのポイント
近年は、自筆証書遺言を法務局で預かってもらえる制度ができています。
● メリット
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自宅で紛失・焼失する心配がない
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家庭裁判所の「検認」が不要になる
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保管時に、方式面(押印・日付の有無など)の形式チェックが入る
→ 自宅タンス保管より、安心度はかなりアップします。
● 注意点
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内容(分け方の妥当性)まではチェックしてもらえない
→ 「誰にどれだけ渡すか」が妥当かどうかは、自分と専門家で考える必要がある -
作り直したときは、古いものをどうするかも整理しておく
5.「自分で書きたい人」へ、現実的なおすすめの進め方
宮崎でご相談を受けていて、現実的だなと感じる進め方はこのパターンです。
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まず自分で、自筆証書遺言の形でたたき台を書いてみる
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そのうえで、行政書士などに内容をチェックしてもらう
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内容がしっかり固まったら、
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自筆+法務局保管で行く
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→ いきなり完璧な遺言を作ろうとしなくても、
「メモ書き→たたき台→最終形」とステップを踏むイメージで大丈夫です。
まとめ|ルールを守れば、自筆証書遺言も心強いツールになる
今回のポイントをまとめると:
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自筆証書遺言は、
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全文自書
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日付
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署名
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押印
この4つの「形式」を守ることが大前提
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財産の特定(特に不動産・預金)は、できるだけ具体的に書く
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訂正はむずかしいので、書き直した方が安全な場面も多い
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法務局の保管制度を使うと、紛失・検認の手間を減らせる
次回は、
「宮崎で公正証書遺言を作る手順」をテーマに、公証役場での具体的な流れや、事前に何を準備すればよいかを解説していきます。
Q&A(よくある質問)
Q1.自筆証書遺言は、全部を手書きしないとダメですか?
はい、本文は原則として全部「ご自身での手書き」が必要です。
ただし、財産目録(不動産一覧や預金一覧など)は、パソコンで作成したり、通帳や登記事項証明書のコピーを添付することも認められています。その場合でも、財産目録の各ページごとに署名と押印をしておくことが必要です。
Q2.認印でも大丈夫でしょうか?やっぱり実印のほうがいいですか?
法律上は、認印でも有効とされています。
ただ、将来のトラブル防止や「本人が押した印」であることを明確にするために、実務では実印で押しておくことをおすすめしますが、法務局保管にする場合は、法務局の職員が本人確認してくれるので、認印でも大丈夫です。
Q3.書き間違えたとき、二重線で消して書き直しても大丈夫ですか?
遺言の訂正には、民法上の厳格なルールがあります。
単に二重線で消して書き直しただけでは、訂正として認められないおそれがあります。
基本的には、
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訂正したい箇所を二重線で消す
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余白に「〇行目の〇字を△△から□□に訂正する」などと書く
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その付近に署名・押印する
などが必要になります。
訂正が増えてきたら、書き直しを検討したほうが安全なことが多いです。
Q4.一度書いた自筆証書遺言は、あとで書き直してもいいですか?
はい、何度書き直しても大丈夫です。一番新しい日付の遺言が原則として有効になります。
ただし、
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古い遺言書がそのまま残っている
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内容が食い違う複数の遺言が出てくる
と、相続人が混乱します。
新しい遺言を書いたときは、
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古い遺言を破棄する
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どれが最新の遺言か分かるようにしておく
など、整理しておくことが大事です。
Q5.自筆証書遺言を書いたことを、家族に伝えておくべきですか?
理想を言えば、「遺言を書いたこと」と「保管場所」だけは伝えておくほうが安心です。
内容まで事前に見せるかどうかは、ご家庭の事情によります。
「家族に言いにくい」という場合は、法務局の自筆証書遺言書保管制度を利用してください。
などの方法もあります。
Q6.自筆証書遺言と公正証書遺言で迷っています。どう考えればいいですか?
ざっくり言うと、
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自分で字を書いても良い方 → 自筆証書遺言
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自分で字を多く書きたくない方、書けない方→ 公正証書遺言
というイメージです。
Q7.自筆証書遺言を書いたあと、行政書士にチェックだけお願いすることはできますか?
はい、可能です。
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書き方の形式に問題がないか
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財産の書き方が具体的か
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内容が遺留分や家族関係に照らして大丈夫そうか
といった観点で、セカンドオピニオン的にチェックだけ依頼される方も多くいらっしゃいます。
「とりあえず自分で書いてみたので、見てほしい」というご相談も歓迎です。
