宮崎で遺言は必要?誰が書くべきかを行政書士がやさしく解説
「遺言なんて、お金持ちが書くものですよね?」
「うちは大した財産もないし、宮崎の田舎の家だけなので大丈夫です。」
相続や遺言のお話をしていると、こんな言葉をよく耳にします。
ですが、相続で揉めるご家庭ほど「うちは大丈夫」と思っていたというのも、現場で強く感じるところです。
この回では、
-
そもそも遺言とは何か
-
遺言が必要な人・なくてもよい人
-
宮崎で「遺言がなくて困った」典型パターン
を、できるだけやさしい言葉でお話しします。
遺言ってそもそも何?難しく考えなくて大丈夫
法律的にいうと、遺言とは
「自分が亡くなったあと、財産や身の回りのことをどうしてほしいかを書く、最後の意思表示」
です。
もう少しかみ砕くと、
-
宮崎の自宅や土地を、誰にどう引き継いでほしいか
-
預貯金を、どの子にどのくらい渡したいか
-
お世話になった人に、少しだけお金を渡したい
-
お墓のことを、どうしてほしいか
などを、自分の言葉でハッキリ決めておく紙が「遺言」です。
「相続人同士で話し合えばいいのでは?」という考え方もありますが、実務では
-
みんなが遠慮し合って決まらない
-
逆に、感情的になってケンカになる
-
結局、手続きが何年も進まない
ということが少なくありません。
そんなトラブルを防ぐための「道しるべ」として、遺言があります。
遺言が「特に必要」な人の特徴
では、どんな人が「遺言を書いたほうがいい人」なのでしょうか。
宮崎で相続のご相談を受けていると、特に次のような方には遺言を強くおすすめしています。
① 子ども同士の関係があまり良くないご家庭
-
兄弟姉妹の仲が微妙
-
普段あまり連絡を取り合っていない
-
昔からのわだかまりがある
こうした場合、相続の場面で
「お兄ちゃんばかり親にかわいがられていた」
「私は何もしてもらっていない」
という感情が出てきて、話し合いがこじれやすくなります。
誰にどの財産をどのように分けるかを、親の意思としてハッキリ示しておくことで、感情的な争いをかなり減らすことができます。
② 再婚・前妻(夫)とのお子さんがいる方
-
再婚して現在の配偶者がいる
-
前妻(夫)との間に子どもがいる
-
今の配偶者との間にも子どもがいる
このようなケースでは、相続人の顔ぶれが複雑になります。
「今の家族」と「前の家族」が、相続の場面で初めて顔を合わせることもあり、
遺言がないと非常にまとまりにくい例が多いです。
遺言で、
-
今の配偶者にどこまで残したいのか
-
前の配偶者との子にも、どの程度配慮したいのか
を整理しておくことが、とても重要になります。
③ 子どもがいない夫婦(配偶者と兄弟姉妹が相続人)
子どもがいない夫婦の場合、
どちらかが亡くなると、
-
配偶者
-
亡くなった方の「兄弟姉妹」
が相続人になります。
つまり、自分の兄弟姉妹が、配偶者と一緒に遺産を分ける立場になるわけです。
ご夫婦だけの感覚でいると、
「自分が亡くなったら、全部妻(夫)に行くと思っていた」
という勘違いがとても多いですが、法律上はそうなりません。
配偶者を守るためにも、遺言で配偶者の取り分をしっかり決めておく必要があります。
④ おひとり様・子どもがいない方
-
生涯独身
-
結婚したが、子どもがいない
-
配偶者が先に亡くなり、おひとり様
こうした場合、法定相続人は
-
兄弟姉妹
-
甥や姪
といった方々になります。
「そこまで付き合いはないけれど、法定相続人だから…」という状況も多く、
遺言がないと、
-
誰が動いていいのか分からない
-
葬儀やお墓、家の片付けが進まない
-
相続人同士が話し合うきっかけすらない
ということになりがちです。
むしろ、おひとり様こそ
遺言+任意後見+死後事務委任をセットで準備しておくと安心です。
⑤ 宮崎に自宅や土地があり、子どもは県外という方
-
宮崎に家と土地
-
子どもは福岡・大阪・東京など県外在住
このパターンも、宮崎では非常に多いです。
相続時に、
-
宮崎の実家をどうするのか
-
売るのか・残すのか・誰が住むのか
-
固定資産税を誰が払うのか
が問題になります。
遺言で「この家(不動産)は長男に相続させる」「売却して平等に分ける」など
方向性をはっきりさせておくことで、子どもたちの負担は大きく変わってきます。
「うちは財産が少ないから大丈夫」は本当?
これもよく聞く言葉です。
「預金もそんなにないし、宮崎の家くらいだから、遺言までは…」
ところが、相続で一番揉める財産は「自宅の不動産」です。
-
宮崎の実家を誰が引き継ぐのか
-
住まないなら売るのか、貸すのか
-
兄弟の一人が住み続けるなら、お金の精算をどうするのか
金額にすると大きくなくても、思い出や感情が強く絡む財産ほど揉めやすいのが実情です。
逆にいえば、財産が少ないからこそ、
遺言でスッキリ決めておくと、残された家族がとても助かるという考え方もできます。
宮崎で「遺言がなくて困った」典型パターン
実際のご相談内容をイメージしやすいよう、典型例を一つご紹介します(内容はプライバシーに配慮した架空の例です)。
例:宮崎市の一戸建て+わずかな預金
-
父が亡くなり、相続財産は
-
宮崎市内の自宅
-
預金が数百万円
-
-
相続人は、宮崎在住の長男と、福岡在住の長女の2人
-
遺言はなし
長男はこう考えます。
「自分がずっと宮崎で両親の面倒を見てきた。
この家には自分が住み続けたい。」
一方、長女は、
「家は売って、お金できちんと2分の1ずつ分けるべき。」
お互いの言い分にも一理あり、
感情の問題も絡んで、話し合いが進みません。
もし生前に、
-
「家は長男に相続させる。その代わり、預金は長女を多めに」
-
「家は売却して、子ども2人で半分ずつ分けてほしい」
といった内容の「遺言」があれば、
子どもたちは迷わずに手続きができたはずです。
「遺言を書かなくてもいい人」はどんな人?
逆に、「遺言は必須ではないかな」というケースもあります。
たとえば、
-
相続人が配偶者と子ども1人だけ
-
財産は預貯金が少額のみ
-
本人も家族も、相続について大きな希望がない
こうした場合は、緊急性は低いかもしれません。
とはいえ、
-
誰に連絡してほしいか
-
お葬式やお墓の希望
-
細かいお礼や気持ち
などを簡単に書き残した「メモ」や、将来のことを整理する「エンディングノート」などを用意しておくだけでも、ご家族はかなり助かります。
宮崎で遺言を考え始める“おすすめのタイミング”
「いつから遺言のことを考えたらいいですか?」という質問も多いです。
目安としては、
-
定年退職したころ(60代前後)
-
大きな病気をしたあと
-
配偶者が先に亡くなったとき
-
子どもが独立して、暮らしが落ち着いてきたとき
- 生命保険加入時
このあたりで一度、相続・遺言・老後のことを「まとめて整理してみる」のがおすすめです。
「何かあってから」ではなく、
「何もない今」が一番準備しやすいタイミングです。
まとめ|「うちは大丈夫」と思っている今こそ、遺言を考えるチャンス
まとめです。
-
遺言は、お金持ちだけのものではなく、
「残された家族の負担を減らすための道しるべ」 -
特に、
-
子ども同士の関係が微妙なご家庭
-
再婚・前妻(夫)との子がいる
-
子どものいない夫婦
-
おひとり様
-
宮崎に自宅や土地があり、子どもが県外
こういった方は、遺言を強く検討した方がよい
-
-
「うちは財産が少ないから大丈夫」と思っていても、実家の不動産は揉めやすい
-
遺言を考え始めるタイミングは、「今が一番若い日」
宮崎で相続・遺言・終活について不安があれば、
一人で抱え込まず、行政書士などの専門家に早めに相談することをおすすめします。
よくある質問(Q&A)
Q1.遺言はお金持ちだけが書くものですか?
A.いいえ、財産の多い少ないに関係なく必要になるケースがあります。
特に、宮崎に自宅や土地があり、子どもが県外にいる場合や、子ども同士の関係が微妙なご家庭、おひとり様、子どものいないご夫婦などは、金額よりも「誰が何を引き継ぐか」が問題になりやすく、遺言の有無で家族の負担が大きく変わります。
Q2.うちは宮崎の実家と少しの預金だけですが、それでも遺言を書いた方がいいですか?
A.むしろそのようなケースほど、実家不動産をどうするかで揉めやすい傾向があります。
「誰が住むのか・売るのか・空き家にするのか」が決まらないまま時間だけが過ぎると、固定資産税の負担や管理の問題が大きくなります。遺言で方向性を示しておくと、相続人が動きやすくなります。
Q3.まだ60代前半ですが、遺言を書くのは早すぎますか?
A.遺言を書くのに「早すぎる」ということは基本的にありません。
むしろ、判断能力がしっかりしていて、家族関係も落ち着いている今が一番書きやすいタイミングです。内容はあとから何度でも書き直せますので、「とりあえず一度形にしてみる」という感覚で始めて大丈夫です。
Q4.遺言がないと、必ず相続トラブルになりますか?
A.必ずトラブルになるわけではありませんが、
-
相続人の数が多い
-
兄弟姉妹の仲が微妙
-
再婚・前婚の子がいる
-
不動産の評価が大きい
といった場合は、遺言がないことがきっかけで話し合いが長引くケースが目立ちます。
「揉めない家」の方が少数派だと考えて、予防的に遺言を用意しておくと安心です。
Q5.まず相続と遺言のどちらから考えればいいですか?
A.イメージとしては、
-
「今ある財産」と「相続人になりそうな人」を整理する
-
そのうえで「亡くなった後、誰に何をどう渡したいか」を考え、遺言にまとめる
という順番が分かりやすいです。
ひとりで整理が難しい場合は、行政書士などに相続と遺言をセットで相談するとスムーズです。
Q6.遺言を書く前に、家族全員と相談した方がいいですか?
A.理想を言えば一度話しておいた方がよいですが、家庭事情によっては、事前には伝えずに作る方が良い場合もあります。
「話すべきか迷う」という段階で、一度専門家に相談し、
-
どこまで話すか
-
誰にだけ伝えるか
など、コミュニケーションの仕方も含めて一緒に考えると安心です。
