成年後見人の仕事というと「財産管理」を思い浮かべる方が多いですが、
もう一つ大切な役割が「身上監護(しんじょうかんご)」です。
これは、本人が安心して生活できるように、生活環境・医療・介護などの面で支援・判断を行うことを指します。
1.身上監護とは?
民法では、成年後見人の職務として「本人の生活、療養看護及び財産の管理に関する事務を行う」と規定されています。
つまり、身上監護とは、本人の生活全般のサポートを意味します。
ただし、後見人は「本人の代理人」としてできる範囲が決まっています。
たとえば次のようなことが代表的です。
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介護サービスの契約(訪問介護・施設入所など)
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医療機関への入院手続き・費用支払い
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福祉サービスや行政手続きの申請
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本人の住居に関する契約(賃貸契約の更新・解約など)
2.後見人が「できること」「できないこと」
✅できること
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サービス利用契約の締結や解約
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施設との面談・意思確認の代理
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医療費の支払い・診療情報の取得
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行政・介護保険関係の手続き
❌できないこと
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本人に代わって医療行為の「同意」をすること(例:手術の承諾)
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本人の「意思」を無視して居住地を決めること
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本人の「生命・身体」に関する最終判断
医療行為の同意や延命措置などは、後見人の権限を超える場面も多く、医師や家族、裁判所と協議しながら慎重に対応する必要があります。
3.施設入所・介護現場でのポイント
後見人は施設や病院と本人の「橋渡し役」です。
現場でトラブルになりやすいのが「入所契約時の立場」と「費用負担」。
例)施設との契約では…
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契約名義人:本人(後見人が代理署名)
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緊急連絡先:親族または後見人
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支払い口座:本人名義
施設側は「保証人」を求めることがありますが、後見人は保証人にはなれません(職務外)。
必要に応じて家族や福祉関係機関と連携しながら対応します。
4.身上監護を円滑に進めるための工夫
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定期的に本人の状態を確認する(可能なら面会・電話など)
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施設・病院・ケアマネージャーとの連絡ノートを活用する
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生活費の支出は透明化し、記録を残す
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本人の意向を尊重し、できる限り意思を確認する
💬Q&Aコーナー
Q1:後見人が病院に入院手続きをすることはできますか?
→ はい、できます。ただし、手術や延命措置など「医療行為への同意」の判断は出来ません。
Q2:本人が施設入所を嫌がる場合、後見人が強制的に入れることはできますか?
→ 原則としてできません。本人の意思を尊重し、家庭裁判所や福祉関係者と協議しながら進めるのが原則です。
Q3:身上監護の費用は後見人が負担するのですか?
→ いいえ。すべて本人の財産から支出します。後見人が自腹で負担する必要はありません。
🌿まとめ
成年後見人の「身上監護」は、単なる契約や手続きだけでなく、
本人の尊厳や生活の質を守るための大切な業務です。
行政書士などの専門家が関与することで、
介護現場との連携や法的判断がスムーズになり、後見人の負担も軽減されます。
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